鈍感さんに恋をした。
そうだよ。
あたしはあたしなりに頑張って、やっちゃってから、後悔した方が全然良い。
むしろ行動したお陰で、後悔しない結末にだって、なるかもしれないんだから。
可能性を捨てないで、最後まで持って、前向きに考えていかなきゃ。
「麻琴…… ありがとう。
あたし、今のでちょっと救われたかも」
「あはは、莉愛、大袈裟だよ」
麻琴と笑い合っていると、コートの方で、楓が呼んでいるのが目に入った。
「あ、ほら莉愛、次試合だよ!」
「うん!」
麻琴に手を引かれ、あたしはラケットを抱えて、コートに走った。
「…よし、じゃあ今日はここまで!」
「「「ありがとうございました!!」」」