鈍感さんに恋をした。
あたしがそう聞いて首を傾げると、また湯河原センパイの動きが止まった。
「センパイ?おーい、センパイ?
…生きてますか?」
試しにセンパイの顔の前で手を振ってみたけど、反応がない。
…大丈夫なのか、これ。
「…莉愛」
おぉ、湯河原センパイ再起動!
「俺の事、ホントに好き?」
「はい、好きですよ?ホントに。
とても優しくて思いやりがあって、人として好きです」
あたしがそう自慢気に言うと、案の定湯河原センパイに溜め息を付かれた。
センパイの事好きって言ってしかも長所まで言ってるのに、何故あたしは溜め息付かれなきゃいけないんだ?
「ごめん、やっぱりなんでもない。
さっきの話、忘れて」