鈍感さんに恋をした。
莉愛はもっと、ポケーッとした顔の方が似合ってるのに……。
「……湯河原センパイ」
「…ほ、ほえ??」
いきなり莉愛に呼ばれて、変な声が出てしまった。
は、恥ずかし~…。
「な、何?」
改めて莉愛に聞き直すと、迷いのないような瞳で俺を真っ直ぐ見て言った。
「…話があります」
珍しく真剣な莉愛を前に、俺も思わず身を引き締めた。
「は、話って…?」
恐る恐る莉愛に尋ねる。
これじゃ、どっちが先輩なのかわかんねぇよな。
「ここじゃ、ちょっとアレなので。
今日の放課後、委員会が終わったら、あたしと一緒に、この中庭に来て貰えませんか?」
「え…」