鈍感さんに恋をした。


今日の放課後って……。


そんなに言いづらい話なのか?


莉愛の目がかなり真剣だから、これはふざけた話でも、冗談でもない事がわかる。


これは、適当に誤魔化しちゃいけねぇって俺は察した。


「……わかった」


だから、俺はそれだけ言って、大きく首を縦に振った。


「ありがとうございます」


莉愛がそれだけ言ったのを最後に、俺達はもう一言も喋らなかった。


お互い、こんなに近くにいるのに、遠く感じて。


気持ちのすれ違いってやつかな。


周りは楽しげな雰囲気なのに、間に挟まれた俺らは、そんな緊迫した空気のまま昼休みを終えた。


るうもナギも、ノロケ話ばかりで、何も触れて来なかった。


そしてそのまま、2人と別れた。






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