鈍感さんに恋をした。


え、結局湯河原センパイは、何が言いたかったの?


気になるじゃんっ。


「莉愛ってさ、まさかファーストキスした事ない?」


「ファーストキス…?
何ですか、それ」


ファーストキスって、何…?


ホントに、何…?


「ファーストキスっていうのは、人生初めてのキスって事なの。
キスは、唇と唇が重なり合う事」


人生初めてのキス…


唇と唇が重なり合う…?


「それってこんな感じですか…?」


湯河原センパイに顔を近付け、少し渇いている唇に、唇を重ねた。


すると、湯河原センパイは驚いた表情をして硬直した。


そして我に返り、慌てた表情であたしの顔をズイッと離した。


「センパイ…?」






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