鈍感さんに恋をした。


でも、きっとアイツも、莉愛の事が好きなんだな。


それでも、さすがにそれは卑怯なんじゃねぇの?


「それに………
あたしが好きなのは、中村くんなんかじゃないです」


「え……っ」


中村…… あの男じゃ、ない…?


「あたしが好きなのは……
……あたしが好きなのは、湯河原センパイです!!」


「…え!」


いきなりの事で思考が回らない。


「好きなんです!
湯河原センパイの事が、どんな誰よりも好きなんですっ!」


「そ、それって……
人として、か…?」


「ち、違いますよっ…!
恋愛的に…… 好き、なんです…!」


「……っ」


莉愛……。


その言葉、信じて良いのか…?


俺だって……好き、なんだよ。






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