鈍感さんに恋をした。
「好きじゃねぇのに付き合って、俺は想いが伝わらないあまりに、莉愛から逃げてたんだ...」
莉愛の目が大きく見開かれた。
真実を知って、驚きを隠せないといったような表情だ。
「夏見にも、ホントに悪い事したって思ってる…。
だから、この後、夏見と会って、ちゃんと話し合おうと思う…。
それで、別れるつもりでいる...」
「湯河原センパイ、それって…」
「俺にはやっぱ、莉愛しかいねぇんだ。
また改めて、俺からは気持ちを全部伝えるから...
だから……… 少しの間だけ、待ってて貰えるか?」
俺が話し終わっても、莉愛はなかなか喋ろうとはしなかったが、最終的には
「………はい」
と、小さな声で頷いてくれた。