鈍感さんに恋をした。
カウントダウン*夏見side*
あれは、1つの奇跡だと思った。
奇跡としか、呼べない事だと思った。
でも……
その奇跡の光が、もうすぐ消えようとしている……。
そんな予感がしたのは、たっちゃんが家に来た、あの日の事。
たっちゃんが突然家に来ると連絡があったのは、寒いある日の夕方の事だった。
連絡が来てすぐに、たっちゃんが私の家にやって来た。
バッグを乱暴に肩に掛けていて、髪が乱れている。
相当慌ててやって来たんだろう。
まさか、私に会いたくなったとか?
そういう理由であれば、嬉しいんだけどなぁ。
…あ、部屋、ちょっと汚いかな。
少しでも整理しておけば良かったと心の中で後悔しながらも、たっちゃんを部屋に入れた。