鈍感さんに恋をした。
6月9日…… 文化祭の1週間後か。
…うん。多分、大丈夫だ。
後で、返信しとこっと。
私は一旦LINEを閉じ、携帯を置いた。
「たっちゃん、ごめんね?」
「ああ、気にすんな」
そう言ったたっちゃんは、何やら難しげな表情をしていた。
「たっちゃん、どうかしたの?」
そう聞いてみても、たっちゃんは無言だった。
暫くすると、たっちゃんはいきなり荷物を片手に立ち上がった。
「俺やっぱ帰るわ」
それだけ言って、たっちゃんはドアノブに手を掛け、ドアを開けた。
「なんで?今来たばっかりなのに」
私は必死で止めようとしたけど
「急用を思い出したんだよ」
たっちゃんはそう言い捨てて、乱暴にドアを閉めた。