鈍感さんに恋をした。

「夏見、今まで、こんな俺の隣にいてくれて、ありがとう。

けど、俺はやっぱり、本当に好きな子と付き合って、本当の幸せを掴みたい。
それに、その方が、お互いの為にもなると思うんだ。

だから……」


聞きたくない、聞きたくないよ…。


次のたっちゃんの言葉が怖い。


しかし、たっちゃんの口は私の願いとは裏腹に、いともたやすく開いてしまう。


「……夏見、別れよう」


一番聞きたくなかった、言葉。


でも、私の役目は、もう終わったんだ。


いつまでもたっちゃんの事束縛しないで、自由にしてあげなくちゃ。


「…うん、わかった。
たっちゃん、私と別れたからには、頑張ってよね！」


「…おう。じゃあ、俺帰るわ」