鈍感さんに恋をした。
恋のルートは遠回り*莉愛side*
…朝。
制服に着替えたあたしは、まだ眠い目を擦りながら、バッグを持って家を出た。
そこには、いつも通り、麻琴と楓が待っていてくれる。
「おはよう、麻琴、楓」
そう言えば、2人も「おはよう、莉愛」ってちゃんと返してくれる。
「ねえ、麻琴、楓」
「「…ん?」」
いつもの道を歩きながら、あたしは麻琴と楓に、昨日の事を話した。
麻琴はびっくりしたみたいで目をパチパチとし、楓は目をキラキラと輝かせた。
「じゃあつまりそれって、湯河原センパイと両想いって事?」
楓が興奮気味で、確認するように聞いて来る。
「…そう、いう事かな」
あたしが頷くと、途端に楓は笑顔全開になった。