鈍感さんに恋をした。
鈍感なヤツ*湯河原side*
おい、マジかよ。
るうのヤツ、気ぃ遣いやがって。
るうは気付いてないんだろうけど、俺あの時、小橋と倉木にすごい剣幕で睨み付けられたんだけど。
あれだな、俺、『すぐ戻る』っつったのにこんな事になったから、アイツらヤキモチ妬いてんだな。
女の恨みってこれだから怖い。
周りの目を盗んでこっそり携帯をチェックしたら、メールが10件ほど届いてた。
ほとんど、女から届いた物だ。
俺の携帯は、辞典かってぐらい女の連絡先が入ってる。
でも本気で好きになった女は、まだ1人もいない。
皆遊びで付き合っている。
でも。
今日、1人だけ気になる女がいる。
「湯河原センパイ、結局どこ行くんですか?」