鈍感さんに恋をした。
早速、3人でクラス替えを見に行った。
「…ねぇ、君」
えっ、あたし?
振り向くと、背が高い男の子が、ニコニコしながらあたしを見ていた。
えっ、何、なんなの?
「これ、落としたでしょ」
あたしの前に差し出されたのは、ピンク色の手帳、紛れもなくあたしので。
「あ、ありがとうございます…」
ペコッと頭を下げると、男の子はヘラっと笑って駆けて行った。
「…莉愛、あんた凄いじゃん!」
男の子が行った後、楓が興奮したようにあたしの肩をバシバシ叩いた。
「楓、痛いよぉ…
…凄い?何が?」
首を傾げると、楓はあたしの肩から手を離し、麻琴と終始呆れたように溜め息を付いた。