鈍感さんに恋をした。


あたしは楓の方を見た。


「楓、大丈夫だから。るうセンパイを信じて、ね?」


「え、莉愛、聞いてたの?
やだ、恥ずかしっ…」


楓が顔を真っ赤にした。


着ぐるみだからかな、楓がなんだかすごく可愛く見える。


女のあたしでも、庇ってあげたくなるような。


「わかった、るうくんを信じるよ。
るうくんも莉愛も、ごめんね?」


「別に気にしてねーから、大丈夫。
じゃ莉愛ちゃん、行こっか。
楓も、頑張ってな」


「うん!」


楓の、子供みたいに無邪気な笑顔を見てから、あたしとるうセンパイは教室を後にした。


「るうセンパイ、いきなりどうしたんですか?」


校舎を出てから、るうセンパイに聞いてみた。






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