鈍感さんに恋をした。


でも、るうセンパイはニヤッと笑って


「来ればわかるよ」


それだけしか言わなかった。


あたしが連れて来られたのは、グラウンドの特設ステージだった。


沢山の人が集まっていて、ここだけ随分と人口密度が高い気がする。


発表が終わったらしく、あちこちから拍手が巻き起こった。


「莉愛ちゃん、もっと前行くよっ」


「え?」


るうセンパイがあたしの腕を掴んで、どんどん前に行く。


中間ぐらいで、るうセンパイの足は止まった。


ステージ全体が見えるようになった所で、次の発表者が前に出て来た。


「…!?」


え、え……?


一瞬見間違いかと思い、目を疑った。


だけど、あたしの目は、嘘を付いていなかった。






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