鈍感さんに恋をした。


「莉愛が、今日午後からのシフトらしいんだよ。
だから、俺が出るちょっと前に行って、会場まで連れて来て欲しい」


「………」


るうは黙ったまま。


「……イヤか?」


確かに、面倒だよな。


なんで、俺がわざわざこんな事って思ってんだろうな。


それなのに、るうは


「おう、いいよ」


快く頷いてくれた。


お前…やっぱり、親切なんだな。


どんな人にでも優しい。


「るう、サンキュ。
1つだけ言うが、俺が暴露大会に出る事も、話す内容も、一切言わねぇで、会場に連れて来てくれ」


「……ああ、わかった」


さすが、るうはわかってくれる。


「長い話した上に、頼み事まで聞いてくれて悪いな」


注文した物が、すでに冷めてしまっていた。






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