鈍感さんに恋をした。


その言葉に、俺は少しだけ励まされたような気がした。


行って来ます―――!



俺は、グラウンドの特設ステージへと足を運んだ。


それにしても………なんなんだ、このすごい人だかり。


こんな大勢の前で発表するとなると、今更ながら緊張感が芽生えた。


それでも俺は、やめない。


今すぐにでも、好きって叫びたいから。


こんな気持ちになるのは、何年振りだろうか。


…莉愛と出逢う前の俺は、ハッキリ言って、まるで感情が無かった。


でも、莉愛と出逢ってから、俺は劇的に変わった。


俺が、ここまで感性豊かになれたのは、他でもない、莉愛のお陰なんだ。


良かった。


俺、莉愛と逢えて、本当に良かった。


それを今、言葉にして、お前に伝えるから。






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