鈍感さんに恋をした。


発表の順番が回って来るのは、意外と早かった。


ステージの上に上がってみると、どれだけここに人が集まっていたのかが、よくわかる。


俺の発表、くだらねぇけど。


…聞いて下さい。


「どうも、湯河原竜稀です」


暴露する。


キミに、もう一度、伝えるよ。


「俺、湯河原竜稀は...

……1年5組の、柳田莉愛の事が好きですっ!!」


…言った。


言ってしまった。


ちょっと噛んだ気がしたが、ちゃんと、言えた。


興奮して、心臓が鳴り止まない。


マイクに伝わってしまいそうなぐらい、大きな音を立てて鳴っている。


「柳田莉愛!」


気付けば俺は、名前を呼んでいた。


「は、はいっ!」


高い声が返って来た。






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