鈍感さんに恋をした。


クラスメイトに言われて、あたしはお弁当を持って足早にその人の元へ向かう。


「湯河原センパイっ!」


そして、いつもの中庭で、湯河原センパイという彼氏の隣で、お弁当を食べる。


学食の時も、お弁当の時も、湯河原センパイと食べる昼ご飯は全部美味しい。


「莉愛、ご飯粒付いてる」


「えっ、えっ?どこにですか?」


「しょうがないなぁ」


こんな甘い会話もあったりする。


教室に帰ると、中村くんに


「柳田さん、放課後ちょっとだけ時間貰えるかな?」


って、真剣な表情で言われて、あたしは言われるがままに頷いた。


昼休みが終わったら、また授業。


お弁当を食べた後の授業は、強烈な睡魔が襲って来る。






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