鈍感さんに恋をした。
「やっぱり湯河原センパイ、熱ありませんか?顔すごい赤いですけど」
莉愛が本当に心配そうな顔で、俺の顔を覗き込む。
顔、近っ。
莉愛は気にしてないだろうけどさ!
「だ、大丈夫だからっ、真面目に」
俺は思わず莉愛から視線を反らした。
照れ隠しのつもり、なのに
「センパイ、なんであたしに顔見せてくれないんですかっ」
そう怒ったように言い、俺の顔を無理矢理自分の顔と向かい合わせた。
や、やめろー。
お、俺の欠片ぐらいしかない理性が、崩壊するっっ。
莉愛の事、襲っちゃうよ?
てか首を傾げるのやめろっ。
あと、上目遣いとか絶対禁止だからーっ
俺は、あの時崩壊寸前の理性と、必死で闘っていた。