鈍感さんに恋をした。


「……俺、ミートボールよりも、美味しそうなの見つけちゃった」


「え?もう、これ以上あげませんよ!」


弁当なんて、もういらねぇ。


俺が美味しそうっつったのは、弁当の中のおかずじゃねぇよ。


「えっ!?センパ……んん!」


「やっぱり、こっちの方が………断然美味しいわ」


俺は口付けをしながら、そう呟いた。


「センパイ、いくらあたしが美味しそうでも、食べないで下さい!
あたし、まだまだ生きたいですっ」


…正気なのか、コイツ。


莉愛、やっぱ可愛い。


弁当なんかよりも、何万倍も美味しい。


俺、今欲求力がヤバい。


体が猛烈に、莉愛を求めてる。


…でも結局、今日はキスだけしか出来なかった。






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