鈍感さんに恋をした。
そんな時、丁度、授業終了を告げる予鈴が鳴った。
…もう、終わりなのか。
このまま帰って、ダルい授業なんか受けたくない。
もうちょっとだけ、莉愛といたいな。
「センパイ。予鈴、鳴りましたよ?」
「早く行きましょう」と急かす莉愛の腕を、ギュッと掴んだ。
驚いたように目をぱちくりさせる莉愛。
明らかに、動揺している。
「もうちょっとだけ。
次の予鈴が鳴るまで、ここにいよ?」
「湯河原センパイ...」
莉愛は、渋々と言った感じだったが、最終的には頷いてくれた。
まぁ、俺は一応莉愛にとっては“先輩”な訳だし、頷くしかねぇだろうな。
折角次の予鈴まで一緒にいれると言うのに、当の莉愛はこっちを向いてくれない。