鈍感さんに恋をした。
「なんで湯河原センパイ、笑ってるんですかっ」
「…へへ。なんでだろ」
「誤魔化しても無駄ですよ」
だって、莉愛のM度にウケたから、なんて言えないじゃないか。
そんな時だった。
突然、校舎の陰から足音が聞こえて来て、1人の男が、目の前で立ち止まった。
んだよ、邪魔すんなよ、KYが。
「柳田さん。ここにいたんだ」
そう言いながら、その男は莉愛の腕をグイッと引っ張った。
「えっ...」
その男は、莉愛を自分の方に引き寄せると、冷たい瞳で俺を睨み付けて来た。
「……悪いんですけど、先輩の都合で、柳田さんに授業サボらせるの、やめてくれませんか?
俺たちは、先輩みたく暇じゃありませんから」