鈍感さんに恋をした。
複雑な気持ち*莉愛side*
…あたしは今、突如現れた中村くんに腕を掴まれ、ほぼ拘束状態で校舎内に入っている所。
中村くんが無言であたしの腕を引くから、何も言えないんだけど…。
気付けば、もう5組に着いていた。
教室に入ると、もう教科担当の先生が来ていた。
あたしを席に着かせて、中村くんは腕を離してくれた。
「あ、あの。中村く……」
「柳田さんさ。さっき、あの男と一緒に授業サボってたの?」
えっ、なんで中村くんがその事を…。
そう聞く前に、中村くん本人が教えてくれた。
「畑さんと松野さんが、言ってたから」
え、麻琴と楓、喋ったの!?
「直接、聞いたんだ。あの2人に」
「え……… なんで、わざわざ聞いたりなんかしたの?」