鈍感さんに恋をした。
そうだ、今は“授業中”なんだった!
しかも聞いていなかった。
黒板には、訳がわからない公式。
ど、どうしよう…。
オロオロと焦っていると、隣から、メモ用紙が回って来た。
見てみると…
「えーっと、16xyz?」
メモ用紙に書いてあった物をそのまま読み上げると、先生が満足そうに頷いた。
「正解」
合ってた……。
メモ用紙を回してくれたのは、隣。
そう、中村くんだった。
中村くんに「ありがとう」と小声で言っておいた。
中村くんのお陰で助かった。
ここの数学の先生、名指しされたら正解するまでずっと立たせてるからなぁ。
そんな時、丁度後ろの席の子から、再び紙が回って来た。