鈍感さんに恋をした。
湯河原センパイが去った後も、あたしは胸がキリキリと痛み続けていた。
しかも、痛みは弱くなるどころか、段々と強くなって来る。
「莉愛、大丈夫?」
「顔色、悪いよ?」
麻琴と楓が心配そうに聞いて来る。
「胸、が...痛、い」
「「え??」」
「胸が、どうしようもなく、痛いの…」
きょとんとしている麻琴と楓に、あたしはさっき思った事を話した。
湯河原センパイに名字で呼ばれた時から、何故か胸がキリキリと痛む事。
それを話すと、麻琴と楓はハッとしたような表情になり、顔を見合わせた。
「莉愛...」
「やっぱ……… 莉愛は、竜稀センパイに“恋”してるんだよ!!」
「え…?」