鈍感さんに恋をした。


それほど、俺の言動は後戻り出来ない、重いものだった。


「出来ねぇよ……」


もし謝っても、莉愛が嫌だったら...


迷惑だったら...


大切な人だけは、傷付けたくない。


でも...このままじゃ、ダメだ。


莉愛がどんな反応をしようと、るうが言ったように、とりあえず謝りたい。


「……まだ、少し考える時間が欲しい」


頭も、ちっとは冷やさねぇと。


「そうか?
まぁ、あとは湯河原次第だ。
頑張れよ?」


「おう」


そう言って、るうと別れた。


授業、出たくねぇ...


俺は、授業をサボる事にして、校舎から出て裏庭に行った。


ここは、莉愛達と弁当を食った場所。


あの瞬間が、今思えば一番楽しかったな……。






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