鈍感さんに恋をした。
電話やメール、LINEは毎日大量に来るが、その日の予定はほぼ埋まってしまっている事が多く、キャンセル待ち状態。
やっぱ、俺は莉愛以外の女じゃ、ダメなんだ。
莉愛じゃなきゃ、ダメなんだ。
俺が溜め息を付いた時、芝生に転がっていた携帯が振動した。
「あ......」
その着信相手を見て、俺は迷わずに応答を押した。
「……もしもし」
『あ、もしもし? ……たっちゃん?』
「夏見、どうかした?」
着信相手の夏見は、元々俺の遊び相手として寄って来た女。
コイツだけは、他の女とは違った。
控えめでよく笑う、優しくて明るい女だった。
俺は、両親が離婚して、父親が今単身赴任中で、今は1人で家にいる。