伝えたい。あなたに。
『ゆうか。どうした?』



『.....』



床に座り込み、固く目を瞑る私の姿はどう映るのだろう。



この声は山瀬先生に違いない。



『体冷えるでしょ、ベッドに入って。』



自力で立つことができない。



でも、それを声には出さない。



助けてと言っているようなものだから。



私が誰かに手を差し伸べてもらうことは、もう許されない。



自分が許さない。



もう先生の優しさを感じたくない。



それが仕事としてでも。
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