伝えたい。あなたに。
練習をしていると子供達が入ってきた。


親御さんもいるようだ。



少しだけ緊張する。



ただのBGMとはいえ、大人の前で弾くのは。



元気な頃のピアノ発表会以来だろうか。



よくコンテストにも出ていた。



賞を取ったらみんなが褒めてくれた。



少しだけ寂しい気持ちになってしまった。



『大丈夫ですか?』



河本先生が声をかけてくる。



さすが山瀬先生の仲間とだけある。



人をよく見ているんだ。



『大丈夫です。』



『それではよろしくおねがいします。』





< 127 / 156 >

この作品をシェア

pagetop