伝えたい。あなたに。
すると、宮本さんが入ってきた。



いつのまにか山瀬先生の姿はない。



『ゆうかちゃん、山瀬先生じゃ嫌って?』



『嫌とは言ってないです。ただ先生がやるの?って聞いただけで。』



気づいてたんだ。わざわざ宮本さんを呼んでくれるなんて。



『普通は嫌よね。私も嫌だもん。いくら気を許した先生でもね。』



苦笑いで返す。



やっぱり女子は安定の安心感がある。



感じてることは皆んな同じ。



『終わった?』



そう言いながら山瀬先生が戻ってきた。



『準備できました。』



『はいよ。』



北見先生と山瀬先生は心電図に目を向けている。



その横顔が真剣そのもので、



違う一面を見た気がした。
< 138 / 156 >

この作品をシェア

pagetop