伝えたい。あなたに。
『ただし!』


背筋を伸ばす。


『はい!』


『ナースステーション前の多目的ルームの机で勉強すること。必要なものも全て持ってきて。そして、朝の回診で禁止令がでたらその日は禁止。勉強時間は朝9時から夕方5時まで。ご飯が食べられなくても禁止。それが守れなかったら勉強道具は没収。』


ものすごい条件つきだ。


仕方ない。


『わかりました。』


『隠すようなことがあれば、実験台になります。』


相変わらず代償が大きすぎる。


『これが俗に言う、体で払うというやつ?』


『は?』


宮本さん共々、何を言っているのかという顔をしている。


すると、顔を見合わせて笑い始めた。


『なんで笑うの!』


『ゆうか、それは使い方が違うよ。』


『どういう意味?』


『そのうちわかるよ。』


『教えてよ。』


『やっぱり子供だな。』


頭をわしゃわしゃと撫でる。


子供扱いも悪くない。


『約束守れるね?』


『うん。』


同時に何度も首を縦に振る。

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