伝えたい。あなたに。
気付くとベットの上で目が覚めた。



周りには誰もいない。



夢か....。



頰には涙の跡がある。



夢じゃない。



現実と夢の境目がわからないのがもどかしい。



気になって気になって。



ナースステーションを覗いてみる。



宮本さんは見当たらない。



『何してるの?』



冷たく放たれた声にギクッとする。



『なんでナースステーション覗いてるの?』



そういいながら私の顔を覗き込む山瀬先生に再び動揺してしまった。



『あ、さっき!先生きた?』



『行ったけど、何?』



『いや、やっぱなんでもない。』



まさか先生に口説かれたのが、夢かどうかなんて口が裂けても言えない。



あっけなく部屋に戻されて。



『なにが知りたいの?』



真剣な表情でこちらを見つめる先生には、忍びない。


『えっと、、、あの』



『涙の跡ついたまま。拭きなよ。』


今がチャンスかもしれない。


『ゆうか泣いた後どうなった?』


『は?泣いた後?

寂しいだの、好きだの言ってたでしょ?

覚えてないの?』


『あーそうだった。そうそう。』


声が上ずってしまう。


おそらくバレバレだろう。


『それ確認するためにわざわざ?暇なやつだな。』


『私にとっては重要事項なの!』



『そう。じゃあ仕事戻ります。』



『これは仕事じゃないの?』



『これはゆうかとの戯れ。休憩タイムよ。』



そういいながら、せかせかと何処に行ってしまった。


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