伝えたい。あなたに。
その時、両親の電話がなった。



『ゆうか、もう行かなきゃならない。無理する必要はない。思うようにしていいから。ただ、山瀬先生の好意は受け取ってあげて。』



そう言って部屋を出て行く背中に、



『私、結婚してもいいよ。』



『そんな早く答えを出さなくていいよ。』



父が笑いを含めて言う。



『私、先生のこと好きだから。ずっと一緒にいてもいいと思うから。』



『本当に?それならよかった。でも、今は直すことを考えてね、山瀬先生もいるから安心だけど。』


話を振っときながら、そう言って笑う父に、改めて父親らしさを感じる。


父が部屋を出ようと扉を開ける。



『おっ!丁度いいところに。よろしく頼むよ。』



肩を叩いて行ってしまった。



入れ替わるように入ってきたのは、



山瀬先生だった。
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