きみの愛、ボクにください。~I LOVE YOUと伝えたい~
こんな空嫌いだ。

ボクの顔を照らさないでくれ。

頼む。頼むから…みっともない姿、誰にも見せたくない。

自分でも解ってる。これは、自分自身の問題だ。


女に生まれたボクの所為。

でも、ボクだってやっぱり女の血が流れているから…

好きなやつが…恋が、あるんだ。

男を好きになる。好きなやつからの呼び出しに、期待してなにが悪い。


あいつは…ボクのたった一人の王子様なんだ。
好きで好きで大好きで…心が溢れかえってしまう。
好き…雨情航(うじょう わたる)

強い光が目に染みて、ぐっと感情の雨がふりそうになった。



ダメ。
泣いたらダメ。
強く、強く強く強く強く…強く、強く
強く、ならなきゃいけないの。泣いたらダメ。

「うじょ、う…好き。大好き。ボク、女の子らしくない……男らしくも無い…なんにも無い…でも、好きだ。雨情のこと、大好きだ…」

側にたたずんでいた電柱に体を預けた。

強く厳しい光は、気がつくと西の彼方へ沈んでいた。
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