きみの愛、ボクにください。~I LOVE YOUと伝えたい~

カット2

危ない…
危ない危ない
危ない危ない危ない危ない危ない危ない

俺の中で赤い線が千切れそうになった。
裂けた。

俺の心にヒビが入って、裂けて、崖ができて、おちそうになって

胸が痛い。


ただ、演劇部に勧誘したかっただけなんだ。彼女はボーイッシュで、そこらの男…通行人Aやクラスメイト3には確実に勝る男らしさ。
スッとしたスタイルで、何でもいけめんにやってのける。
本当に、学園王子になれるおと…女の子だ。

でも、俺は知っている。俺だけは知っている。
どんな超人にも欠点は付物だ。
所詮彼女は女なんだ。

きっと白いふわふわしたワンピースが世界一似合う女の子だ。
初めて彼女を見たときから、どうしても彼女が天使にしかみえない。
彼女を…

おっと。これ以上は禁物だ。

俺は「無口」な男を演じなければいけない。
「恋」には疎遠な男にならなければならない。

お前を好きだと言ってはならない。

でも…瀬ノ尾柚輝(せのお ゆずき)
好きだよ。一目惚れ。

初めての感情を教えてくれたのは、お前だ。
この人生は芝居なんだ。だから、どうか振り向いて…

「……………抑えろ。抑えるんだ。」

自分の気持ちに鍵をかけた。…はたしていつまでもつのだろうか。
彼女を演劇部に入れたらきっと身が持たなくなるのは俺だ。でも、…

よそう。自分だけで勝手に悩むのは、疲れるだけだ…
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