天使とキミと秘密と、わたし。

しばらくして、頭が少し冷静さを取り戻してきた。


そういえば、フルートを吹いてこの美しい草原にきたんだよね?


だったら、もう一度吹けばいいんじゃ…!


そう思って、曲を吹き始める。


どんな状況にしろ、フルートを吹くのは楽しいわけで。


つい、いつものように自分の世界に入り込んで、フルートを吹いていた。


パチパチパチ


どこからか拍手の音が聞こえて、フルートをやめる。


あたりを見渡すと、わたしと同い年ぐらいの1人の少年が立っていた。


でも、漂うオーラはすごく美しく、綺麗で凛としていて、容姿もイケメンというより、美少年という言葉がぴったりだった。


見とれていると、何を思ったのか男の子は慌てて


「勝手に聴いてしまって申し訳ありません。すごく、魅了される音色だったもので、つい…!」


慌てる様子がおかしくて、可愛くて、


「ふふふ…」


自然に笑っていた。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop