天使とキミと秘密と、わたし。
しばらくして、頭が少し冷静さを取り戻してきた。
そういえば、フルートを吹いてこの美しい草原にきたんだよね?
だったら、もう一度吹けばいいんじゃ…!
そう思って、曲を吹き始める。
どんな状況にしろ、フルートを吹くのは楽しいわけで。
つい、いつものように自分の世界に入り込んで、フルートを吹いていた。
パチパチパチ
どこからか拍手の音が聞こえて、フルートをやめる。
あたりを見渡すと、わたしと同い年ぐらいの1人の少年が立っていた。
でも、漂うオーラはすごく美しく、綺麗で凛としていて、容姿もイケメンというより、美少年という言葉がぴったりだった。
見とれていると、何を思ったのか男の子は慌てて
「勝手に聴いてしまって申し訳ありません。すごく、魅了される音色だったもので、つい…!」
慌てる様子がおかしくて、可愛くて、
「ふふふ…」
自然に笑っていた。