絶望エモーション
ホライズン総研株式会社は、昨年このオフィスに移転してきた。
以前は渋谷にオフィスを構えていたのだけれど、ライズ完成後、二子玉川に拠点を移している。
オフィスは広々としたワンフロアで、すべての部署はパーテーションで仕切られている。社長室もパーテーションだ。
唯一ミーティングスペースと資料室のみが別室として設けられている。受付スペースの真裏だ。
私がオフィスにたどり着くと、ちょうど総務部長が施錠をして帰るところだった。
「九重さん、まだ仕事?」
総務部長に言われ、私は曖昧にうなずいた。
総務部長は帰って行き、施錠をする約束でひとりオフィスに入る。各部署の数名がオフィスのカギを持っていて、私もそのひとりだ。
がらんとした無人のオフィスは不思議な感覚だった。
仮にもIT企業。誰もいないのは珍しい。
週末というだけではなく、うちの部署以外では何人か社外研修に参加しているんだったと思い出す。人が早くはけたのはそのせいだろう。
以前は渋谷にオフィスを構えていたのだけれど、ライズ完成後、二子玉川に拠点を移している。
オフィスは広々としたワンフロアで、すべての部署はパーテーションで仕切られている。社長室もパーテーションだ。
唯一ミーティングスペースと資料室のみが別室として設けられている。受付スペースの真裏だ。
私がオフィスにたどり着くと、ちょうど総務部長が施錠をして帰るところだった。
「九重さん、まだ仕事?」
総務部長に言われ、私は曖昧にうなずいた。
総務部長は帰って行き、施錠をする約束でひとりオフィスに入る。各部署の数名がオフィスのカギを持っていて、私もそのひとりだ。
がらんとした無人のオフィスは不思議な感覚だった。
仮にもIT企業。誰もいないのは珍しい。
週末というだけではなく、うちの部署以外では何人か社外研修に参加しているんだったと思い出す。人が早くはけたのはそのせいだろう。