シークレット・エレベーター
「北条先生は…」
「先生なんてがらじゃねーし、翔でいいよ。あいつらもそう呼んでるし」
この人と居ると調子が狂う。
「…先生こそ私のこと嫌いですよね」
そう言うと、少し驚いたように私を見つめてきた。
「なんでそうなるんだよ。いつ俺が姫希のこと嫌いだなんて言ったんだよ」
「だって私には全然話しかけてこないじゃない」
「姫希が避けるからだろ。俺は姫希と話したいよ」
私は驚いて先生のほうを見た。