From..
「なあなあ翔!あの転校生可愛いよな!!」

そう話しかけて来たのは蓮池 渡。

「まあなー」

あの経験がなかばトラウマに変わりつつある俺は曖昧に言葉を濁した。

「俺一目惚れしたわ!」

「そういう奴は星の数だけいるだろうな」

「お前には百合菜ちゃんがいるもんな!!」

渡は大きな声で笑いながら、背中を叩く。

「ば…馬鹿!声がでかいって!!」

「呼んだ?」

そう言って来たのは…百合菜ちゃん。

「よ…呼んでないよ!」

俺は慌ててそう言った。

「じゃあな翔…上手くやれよな」

渡は小声でそう呟いてどこかに消えていった。
余計なお世話何だよ!

「あ、翔くん。昨日はごめんね?いきなりメールしちゃって……」

「あ、別に……平気だよ?」

「そっか、良かった。じゃあまた後でね?」

「え、うん……」

百合菜ちゃんはそう言って前をすたすたと歩いて行った…。一体、百合菜ちゃんは俺に何の用なんだろう?

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