From..
「翔くん!!」

後ろから声が聞こえる。
この声は…。

「百合菜ちゃん……」

そう。それは紛れも無く
百合菜ちゃんだった。

「ちょっと聞きたいことあるんだけどさ…」

そういう百合菜ちゃんの顔は真剣。

やっぱり告白?いやまさか…。こんなんだから雅也に“脳内妄想”って言われるんだよな…

俺はブンブンっと頭を振って邪気を除いた。

「なに?」

「うん…あのね!昨日どっかでラブ…」

「百合菜ぁー!!!」

俺はガクッとうなだれる
だれだ!!百合菜ちゃんの話を遮ったのは!!

俺は目に憎しみの色を浮かべて、さっき声のした方を見た。

「静香かよ……」

夕張 静香。クラスでも明るくて親しみやすいキャラで通っている。また、男子からも人気がある。

百合菜ちゃんは静香の顔を見るとこくりと頷いた。

「ごめん!また明日!」

と言葉を残して駆けていってしまった。
ポツーンと廊下に残された俺は、悲しい……。

てかラブ…
ってラブレター!?
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