From..
「つまりは夏休み中の外出許可の願い…ですね」

早苗さんは唇に指を当てて考えていた。

やっぱ、ナース服って卑怯だな。浅香さんもナース服着たら……。

『翔君、お注射だよ?』

阿保か、俺は!?人の彼女で何考えてるんだ?

「ちょうどいい機会です 存分に楽しんで来て下さい。病気も快方に向かっているのに、病院にこもってるのも良くないですし」

快方に向かっている…?
俺は早苗さんの言葉に耳を疑った。もう おじいちゃんの余命は半年を切っているというのに……?

どういうことだろう?

「もし急に具合が悪くなった場合等には、雛菊病院か、私の携帯に電話してください。じゃあ翔君に渡しておくよ?」

そういって早苗さんは携帯の番号を紙に書いて俺に渡してくれた。

「久しぶりに血が騒ぐわい!!」

おじいちゃんは生き生きとした顔をしている。

確かに、この映画作りはおじいちゃんにとってもいい思い出作りになるだろう。

俺達は また一週間後にまた来ることをおじいちゃんに告げ、病室を去った。
< 162 / 387 >

この作品をシェア

pagetop