From..
俺は紫音と別れ俺は自分の部屋へと戻った。

令志の別荘はとても広く 一人一部屋が割り振られた。

現在の時刻は21時。
俺はさっきの紫音の言葉の意味を考えていた。

『もし私が消えたら』

俺の頭に何かが引っ掛かっていたが思い出せない
それさえ分かれば……。

コンコン。その時、部屋をノックする音がした。

「どうぞ?」

部屋に入って来たのは美紀と静香だった。

「どうした?」

美紀と静香は珍しく黙り込んでいた。しかも、美紀に至っては涙ぐんでいた。

「み……美紀?」

「翔さんは百合菜が嫌いなんですか?」

「は…?」

やっと喋ったと思ったら何だよそれは…?

「あんたのせいで……百合菜は…百合菜はどれだけ苦しんでいると思ってるのよ!」

俺は静香に思い切り突き飛ばされた。俺はその衝撃で壁に思いきりたたき付けられた。

「痛っ…」

体全体に鈍い痛みが伝わってくる。

「静香!やりすぎだよ」

美紀が静香をなだめる。

「何のことだよ?」

「桜花や早苗さんにうつつを抜かして…」

美紀が搾り出すように言葉を繋いだ。

「俺が見てるのは昔から………」

「百合菜だけだ?どの口がそんなこと言えるのかしらね!」

俺は静香の剣幕の前に何も反論できなかった。

「百合菜は…百合菜は……」

とうとう静香までも泣き出してしまった。

「……だけど百合菜ちゃんは令志と付き合ってる」

「……百合菜が令志さんと付き合ってるのは…全部、翔さんの為なんです!」

俺の為…?俺は頭が混乱して来た。

「美紀?それはどういうことだよ!!」

「私から話すよ」

静香が涙ながらに語ってくれた。
< 186 / 387 >

この作品をシェア

pagetop