From..
静香が話したことは驚きの連続だった。

百合菜ちゃんと令志が付き合ってる理由。

百合菜ちゃんが、ずっと俺のことを思ってくれていたこと。

どれも俄かには信じられないようなことばかりだった。

「だいたい百合菜はラブちゃんを探す話の時、最初は翔だけに話してたでしょ?あれは百合菜なりのアプローチなのよ。まあ私が邪魔しちゃったみたいだけどさ……」

そういえば……四月の始業式の日、話は途中で静香に遮られたが……確かにあれはラブちゃんの話だった。

「告白するのに凄い勇気がいることは分かりますよ?だけど……」

「分かってる!!分かってるんだ!」

美紀の言葉を遮るように俺は叫ぶ。だけど俺は区切りを付けないと前に進めないんだ。

差出人不明のラブレター。

仮に百合菜ちゃんと付き合っても、あのことが頭の中にしつこく残るだろう。

あのラブレター……あの謎が解けないと俺は百合菜ちゃんと向き合えない。

俺はそう感じていた。
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