From..
「翔、これだけは約束して？」

「なに……？」

「もうこれ以上百合菜を泣かせないでね？」

静香は涙ながらに俺に声をかける。美紀も涙を浮かべている。

「大丈夫、絶対泣かせない。もう自分に素直になるって決めたんだ」

早苗さんから受け取った言葉。その言葉は俺に勇気を与えてくれた。

「いつになるか分からないけど、必ず俺から百合菜ちゃんに気持ち伝えるから」

「……そうして下さい。百合菜も待ってます」

「二人とも、今日はありがとう」

「どういたしまして」

二人はまだ頬を伝う涙にも関わらず笑顔を浮かべて俺の部屋を去った。

百合菜ちゃんが俺のことが好き…。

そのことにいまだに実感が沸かない。

片思いだと思っていたのが両思いだった…。

こんなに嬉しいことはないだろう。

俺はゆっくりと目を閉じて明日の撮影に向けて早く休むことにした。
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表紙・目次

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