From..
渡は最初こそ緊張していたようだったが、すぐに三人と仲良く話をするまでになっていた。

「さすが、女の扱いには慣れてるな」

雅也がつまらなそうに呟く。俺としては、百合菜ちゃんと渡が仲良く話しているのが少しイラッと来ている。

「翔、悔しいんならお前も行ったらどうだ?」

「お前のそういう手には乗らないから」

「だけど渡はお前を呼んでいるようだぞ」

俺は慌てて渡を見る。確かに雅也の言う通り、渡が俺に何やら合図を送ってるのが見えた。行くと厄介なことになるに違いないので、俺は無視することにした。

「翔、早く来い」

俺は聞こえないふりをした。しかし、それも限界に近づいていた。

「あんた呼んでるんだから早く来なさいよ?」

後ろから声がしたと思えば、静香に首根っこをつかまれるように俺は百合菜ちゃんがいる机に連行されていた。

「頑張れ、翔」

そう言ってヘラヘラしてる雅也に殺意を覚えた俺だった。
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