From..
「ホラ!」

俺は静香によって、渡の横に追いやられた。

「あ、翔さん!待ってましたよ!」

美紀がニコッと笑って迎えてくれる。男心をこれでもか、とばかりくすぐってくる。正直、たまらない。

「で、何の用?」

「翔、それは俺から話するよ。あのな、Wデートしようぜ!!」

開いた口が塞がらないとはこのことだろう。一体どこをどうしたらこんな話になるんだ?まあ、聞きたいことはたくさんあったが、まずは根本的なことを聞くことにした。

「あのな、何でそれで俺がWデートに参加しなきゃいけないんだ?雅也誘ったほうがいいじゃねぇか」

「それは……その……」

全員が口を濁した。皆、何を考えてるんだ?百合菜ちゃんに関しては少し、顔が赤いし……。

「あ、私!私が翔さんがいいって言ったんです!あの、ダメですかね?」

美紀の無意識の上目使い。そんな顔で頼まれたらどんな男も落ちる。

「……分かった」

「良かったぁ……」

まあ、成り行き上仕方ないだろ。

「てか、Wデートだろ?ここにいる女子は三人…」

「ああ、私はパスする」

静香が俺が言う前に疑問を解決してくれた。
ん……?ってことは…。

「翔、お前のパートナーは百合菜ちゃんだからな。上手くやれよ?」

……はぁぁ!?
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