From..
俺は再び体を起こす。
時計の針は7時を指していた。

よし……。我ながら完璧な目覚めだな。

しかしここで俺はあることを思い出した。

学校に行くには、制服を着なければならない。
しかし、昨日一日を病院で過ごした俺には、替わりの制服などない。

畜生……めんどくさいけど家に制服を戻るか。

俺がモゾモゾとベットから動き出した時だった。

「翔、着替えなら早苗さんが持って来てくれたよ。後、抜け出すなら裏から回ってだってさ……」

起こしてしまったのか、紫音が目を擦りながら貴重な情報をくれる。

「紫音っ。サンキュ」

俺は制服に袖を通す。その時、一冊の本がパサリと落ちた。

「後それも使うだろうと思って持って来たんだって。翔は、そんな趣味があったんだね……」

こ、この本はベッドの下の……!早苗さんめ!

俺は恥ずかしさから顔が真っ赤になったのを悟られないように、病室を駆け出した。
< 211 / 387 >

この作品をシェア

pagetop