From..
俺達五人は喫茶店Lilyの前へとたどり着いた。

「うわ…けっこう混んでるなぁ」

Lilyの前には長蛇の列が出来ている。

「どうします?ここで待ちますか?」

桜花が遠慮がちに皆に尋ねてくる。

「私はここで食べたい」

紫音がキッパリと言い放った。

「わしも翔達の店がいいのう」

結局、おじいちゃんと紫音の意見が通り、俺らは列の最後尾に並ぶことになった。

並び始めて20分が経った頃に俺達は雅也に席に通された。

「翔、このメニュー誰が書いたの?」

「百合菜ちゃんだよ。それがどうしたの?」

「いや、ちょっとね」

そんなやりとりをしているとウェイターが来たので、俺は昨日とは違うメニューのパスタを注文した。

他の皆も、百合菜ちゃんや美紀などが作る女性陣の料理に舌鼓をうっていた。

俺は他のお客にばれないようにこっそり雅也を呼ぶ。

「雅也達は休憩取れないのか?」

「流石に昼のピークが終わるまでは無理だな。しかも、百合菜や美紀に抜けられると困るし…」

「そうか…」

「まあお前達はお前達で楽しんでこいよ。俺らのことは気にすんな」

そう言って雅也は次の客の注文を取りに行った。

「百合菜可愛いな……」

「令志、分かるよ。もうあの可愛さは罪だと思う」

そんな百合菜ちゃんトークを交わしている時の紫音と桜花の目は冷たかった。
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