From..
「は……?お前何言ってんだよ……?冗談よせよ……」

俺は雅也の言葉を受け止めることが出来なかった。

「翔、これは事実なんだ。黙って雅也の話を聞け……」

渡が鋭い目で俺を睨む。

「黙ってなんかいれるかよ!なぁ起きろよ紫音?冗談はよせよ……」

俺は紫音を再び強く揺らすが反応は返ってこない

「翔君…。紫音を病院に運んであげようよ!」

「まだ話はついてない」

「今は、それどころじゃないでしょ!」

静香と百合菜ちゃんの声も耳に入ってこない。

「おい、渡。令志。紫音を病院に運んどけ。みんなも手伝ってやれ」

雅也はそう言うと俺に向き直った。

「翔。お前に一から話してやるから。頼むから落ち着いてくれ」

「幼なじみが目の前で……急に倒れたんだぞ!落ち着いて何かいられるかよ……!」

「翔…!辛いのはお前だけじゃないんだよ…!」

雅也の目から一滴涙が零れ落ちた。そこで俺は皆の目が潤んでいることに俺は今になって気付いた。

「悪い……」

俺は素直に謝った。そうか…そうだよな。辛いのは俺だけじゃない。

皆も辛いんだ……。
< 222 / 387 >

この作品をシェア

pagetop